5にん 22

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健人side

全然許さないし、なんでバレたのかもわかんない。ただ聡の気持ちを考えると胸が張り裂けそうだった。聡が落ち着いてからどうしたいか聞いたら、どうにもなんなかったら転校したいって…

考えたことも無かったな。こんなに追い詰められてた。転校か。翌朝、風磨に絶対聡のそば離れないように言ってから学校行った。

先生に話して、まぁ気付いてなかったって言われたけど本当か嘘かは…正直わかんない。あんな辛い思いしてんのに気付かないってあんのか？なんでその噂が広まったのかだけ、知りたくて。主犯だろうって1番ヤンチャな子と話させてもらえた。

そしたらね、カマかけただけなんだって。多分俺が怖くて震えながら話してた。聡に親がいないこと理由にカマかけたらまさかの聡が否定しないから…それで一気に噂が広まったって。否定…なぁ。できないよな。全くの嘘ではないもんな。繋がっちゃうもん。

ごめんなさいって言われたけど、あんなに傷付けて、許せるわけなかった。どうしようか。勝利の時は少なかったから退学に持っていけたけど、聡はほぼクラス全員の男子が関わってるっていうし。

勝利は高校辞めたら逃げるみたいで嫌だって言ってたけど、聡は転校したいって思えてるなら、まだ学校って場所に行こうって自分で思ってるならそうするべきなのかな。

先生に対応は保留ってことで家帰ったら、風磨にお腹撫でられて聡が寝てる。
「おかえり。どうだった？」
「うん。転校がいいと思った」
「……そっか」

軽く、本当に事実が広まった訳じゃないって説明したらホッとしてる。そうだよな。だけど聡にそんなことする子達の中にいて欲しいと思えない。冗談で人殺しにするような人間…なんだもんな。

「んっ〜」
「聡、起きた？」
「ん〜健人くんー」
「うん。行ってきたよ高校」
「…んっ」

不安そうな顔で見てくるから頭撫でてやる。
「聡の親のことが広まった訳じゃない。ただたまたま、冗談半分が広まっちゃったみたい。でも聡は悪くないよ」
「…ん」
「あのね、聡。転校してもいいよ。ありだと思う」
「……ん〜」

「不安だねっ」
涙が出そうになって慌てて拭う。俺は守らなきゃなんだよ。強くいないと。
「学校…行ってみるっ…」
「え？」
「でもっ、怖いっから…健人くんっも」

「わかったよ。一緒にしばらく行こうか」
「ん」
次の朝ね、不安そうな顔で俺の部屋きたから制服着せて一緒に行ったよ。

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