雪の中で咲く華よ〈２〉 (ページ22)

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🌸 ページ22

Aside

デビューが決まったと牧ちゃんに聞いた日の夜。

疲れているはずなのに眠れなかった。
明日も仕事だから早く寝たほうがいいのに
ベットに入っても落ち着かなかった。

ﾌﾞﾌﾞﾌﾞﾌﾞﾌﾞ…
携帯の振動する音がして
ディズプレイに表示された名前は
『ラウくん』

A；…もしもし？

ラウール；Aちゃん、まだ起きてた。

A；なんだか眠れなくて、ココアでも飲もうかなーって思ってたとこ。
ラウくんは？明日も学校でしょ？

ラウール；そうだよ。試験が近いから嫌なんだけどね。
…Aちゃん、デビューのこと、聞いた？

A；…うん。牧ちゃんから聞いたよ。
デビューおめでとう。

ラウール；Aちゃんもデビューおめでとう。
…おめでとうなんだけどさ、今日上手に喜べなかった。
ずっとデビューを目指してきた6人と
最後のチャンスだとSnowManにかけてる康二くんとめめを前に
喜んじゃいけない気がして。
心から喜べなかった。

A；私も上手に喜べなかった…
ラウくんと同じ気持ちになって…
牧ちゃんは気遅れすることはないって言ってくれたけど、
気持ちの整理が上手くつかなくて…
まだ気持ちがグチャグチャしてる。

ラウール；もしかしたら、Aちゃんも僕と同じ気持ちかもって思って。
だからこんな夜遅くに電話しちゃった。

A；そっか。一緒だったね。
私はね、この気持ちは誰にも知られないようにできたらいいなって思ってたの。
ってか、言えないじゃん。
…だけど、ラウくんの気持ちを知れて、今はホッとしてる。
電話してくれて、ありがと。

ラウール；本当は…センターとか嫌なんだよね。
なんで僕なんだろう。岩本くんがいるのにさ…
デビューするってことは、その気持ちがずっと続くってことなんだと思ったら
すごく苦しくて、SnowManの中で僕じゃないといけないことってなんだろうって。

…上手く言えないんだけどね…
デビューの喜びよりも、そっちの方が上回っちゃってさ。