episode27 ページ44
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🧡
電話は警察署からだった。
とある女性が階段から落ちる事故があったらしい。そのご遺体がA姉かもしれないから遺体の確認をして欲しいって。
A姉のご両親は海外にいるから恋人である照兄に最初に連絡が来た。
何かの間違いやと思った。何を言うてるん。A姉なわけないやん。この間だって一緒にご飯食べたんよ？
「康二、ごめん。運転お願いできる…？」
「おん…！任せて…！」
照兄を車に乗せて、2人で警察署に向かう。通された霊安室に眠っているその人。周りは白い壁に囲まれ冷たく、しんとした空気。鼓動が有り得へんほど早くなる。
ちゃう。ちゃうやんな。A姉。
「ご確認お願いします」
そこに眠っていたのはA姉やった。肌に触れると驚くほど冷たくて、そこから命を感じることは難しかった。
「西崎 Aさんでお間違いないですか？」
「……間違いないです」
今にも消えてしまいそうな照兄の声。俺が泣いちゃアカンのに…ボロボロと涙がこぼれてくる。なんで…？なんでなん。こんな優しい人がなんで先に死ななあかんの。
「あの…彼女に何が…」
「揉み合ってるうちに階段から落ちてしまったようです。人通りも少ない道だったので見つかった時はもう手遅れで…」
「その相手は…」
「出頭してきました。今は事情聴取中です」
照兄はそれを聞くと霊安室を出ていく。名前を呼んでも俺の声は届いていなかった。
「照兄！照兄待ってや！！」
「絶対、あいつだ、あいつが…、あいつがAを！！！！」
「照兄！！」
「離せ、離せ！康二！！！」
「嫌や！絶対離さへん！！」
このまま行かしてしまったら照兄はきっと壊れてしまう。それは絶対に嫌や。照兄まで俺は失いたくない。大好きな人が居なくなるこんな気持ちはもう、体験したない。
「A姉はこんなこと望んでへんわ！！！」
「A…」
「そうやで。A姉に叱られてまうよ。なにやってんのーって」
「A…なんで…」
ガタンっと力無く、照兄はその場にしゃがみ込んだ。俺に何がしてあげれるなんて思ってへん。思ってへんけど気持ちは同じや。
苦しいよな。
辛いよな。
「なんでっ…Aっ、A…」
「……照兄。」
今のこの気持ちが少しでも楽になるように俺は、照兄の背中をさすり続けた。照兄の苦しさが声と涙になって廊下に吐き出された。
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ハナ(プロフ) - なーりんさん» コメントありがとうございます！！ハッピーエンドバージョンですね…！！検討させていただきます！ (4月11日 12時) (
レス) id: 04da2ae895 (このIDを非表示/違反報告)
なーりん(プロフ) - 最後まで読んで涙が流れました。ハッピーエンドバージョンもお願いしたいです (4月11日 12時) (レス) @page48 id: f918c3d779 (このIDを非表示/違反報告)
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